事務所通信、助成金、判例等ご案内
社会保険労務士小野事務所ニュースレター
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こんにちは、社会保険労務士小野事務所です。

小野事務所ニュースレターをご案内いたします。

2024年が始まりました。新しい年を迎え、公私とも今年の取り組みを練りますが、計画通りにいかないのが常です。今年主なテーマは、2024年問題、DX化、両立支援、リカレント教育、等、取り組む課題は多いいです。先日、労働局の課に助成金について電話しました。その際申請は電子申請がいいですか、窓口がいいですかと聞いたのですが、郵送がいいですよと言われました。理由はここでは差し控えますが、助成金申請に関しては当面郵送をすることにしました。社内研修は、リカレント教育も大事ですが、入社した社員への新人研修が大事です。社会人マナー、社内ルール研修に加え会社の部門研修を加えることで会社の業務を理解し、社員とコミュニケーションを築く機会を作ります。DX化は業務効率を念頭に継続して導入します。勤怠のシステムと連携した給与計算の効率化や就業規則のクラウド化は小野事務所も導入いたしました。皆様に折に触れてご提案させていただきます。DX化や効率化が唱えられますが、一番大事なのは会社の全社員が考える力を養うことが会社を着実に成長させる基本と思います。

今年もよろしくお願いします。

主な内容は

  • 小野事務所通信1月号
  • 2023年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果を公表(経団連)1
  • 両立支援助成金の改定について
  • 判例について Aホテル事件‐正社員と期間の定めのある臨時職員との賞与の扱いについて

 

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1.小野事務所通信
1月号をご案内いたします。

  • 令和5年 11 月下旬、令和5年度の補正予算が成立しました。これを受けて、それを財源として実施されることになっていた雇用保険法に基づく助成金の見直しが決定しました。その概要を確認しておきましょう。
  • 「年収の壁・支援強化パッケージ」❸/「130 万円の壁への対応」の概要・いわゆる「年収の壁」への当面の対応策として、令和5年9月27日付けで、「年収の壁・支援強化パッケージ」が決定されました。その概要を確認しておきましょう。
  • 令和6年1月からの電子取引データの保存方法を確認しておきましょう

https://drive.google.com/file/d/1O9CSnOGSz6-q8yZCCoJma-A6kzzYdqGh/view?usp=drive_link

 

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  • 2023年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果を公表(経団連)1

調査目的として:春季労使交渉・協議の結果や、人事・労務に関するトップ・マネ ジメントの意識・意見などを調査するため、1969年から毎年実施 している。 本調査結果は、主に「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報 告)の重要な参考資料として活用している。と記載されています。

目次は調査結果

労使交渉・協議等における議論と結果.......................

エンゲージメント.......................................24

専門有期雇用等社員.....................................28

リカレント教育等.......................................30

採用方法の多様化.......................................33

諸手当.................................................35

両立支援...............................................40

高齢者雇用.............................................43

詳しくは下記をURLを参考にしてください。

006.pdf (keidanren.or.jp)

 

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3. 両立支援等助成金の見直し[令和6年1月1日~]

令和6年1月から両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設し、育児休業や 育児短時間勤務を取得・利用する方の業務を代替する体制整備に対する支援を強化します。 中小企業事業主が周囲の労働者に手当等を支払って代替させた場合(1 手当支給等)、代替する労働者を新規雇用(または新規の派遣受入れ)した場合(2 新規雇用)を対象に支給します。

リーフレットが公表されています。ご参考にしてください。

 

PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)

 

お気軽にお問い合わせください。

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5.判例について(PSRnetwork記載)

 

Aホテル事件‐正社員と期間の定めのある臨時職員との賞与の扱いについて
大阪地方裁判所令和5年6月8日判決

〇事案の概要

原告は被告ホテルに期間の定めのある臨時職員として勤務していた。本件訴訟時にはすでに退職している。

ホテルは、正規職員に対しては、賞与の支給率を半期ごとに業績等を踏まえて労使の協議を経て決めてきている。臨時職員に対しては賞与の支払い規定がなく、支給される場合にはその都度定めるものとされていた。

このような正規職員と臨時職員の賞与の扱いの差異について短時法・有期雇用労働者法8条に違反するとして提訴された。

〇判旨

「基本的に、上期及び下期に正社員に対して賞与を支給しており、少なくとも平成28年度から令和元年度まで一定の支給率を維持しているうえ、新型コロナウイルス感染拡大により被告の業績が大幅に落ち込んだ令和2年度においても支給率を下げながらも一定額の賞与を支給したことが認められ、正社員の賞与が被告の業績と必ずしも連動するものではなかったことが認められる」「正社員は、業務内容の責任の程度が高く、人材の活用を目的とした人事異動が行われていたことが認められる」

 

「正社員に対して支給される賞与には労務の対価の後払いや一律の功労報償の趣旨のほか、正社員としての職務を遂行し得る人材を確保してその定着を図る目的があったと認めることができる」とし、臨時職員から正社員への登用制度があり、登用実績もあったことも考慮し、不合理な相違ではないと判決した。

 

〇解説

本件は正社員と臨時職員の取り扱いの差に合理性があるかが争われた事案である。

 

正社員にはボーナスが支給されるがアルバイトや臨時職員にボーナスを支給する規程を設けていない会社は相当多いのではと思われる。規定があることによって会社に支給義務が発生することもあるが、ボーナスそのものを計算して従業員はローンを組んだりしており、もともと年収として正社員に対する支給額として会社・従業員双方が認識していることがある。

 

そのため、ボーナスが賃金の後払い的な性格を持つという側面は否定しがたい(例えば1月から6月までの給与にボーナスが支払われるが、それは報償としてのみではなく6か月間に支払われる給与の一部が含まれると解釈できる)。

 

賃金後払い的性格を強く解釈した場合は、正社員と臨時職員の間での差異が認められにくくなる。

 

ところで本件では、過去に臨時職員に対してボーナス支払い実績があるが、規定があるわけではなく利益が出たときに会社側がその都度決めていたという実態がある。もともと会社としては臨時職員に対するボーナス支払いが義務であるとは認識していないと言ってよい。おそらくこれと同等の認識を持っている会社は少なくないのではと推測できる。

 

本件では裁判所は正社員と臨時職員の社内での担当業務の差異や責任の違いを指摘し、ボーナスには人材育成のため、また、人材を退職転職等させないために従業員に支給しているものと認定している。

 

これはコロナ禍で収益が悪化しても支払いをしていたことを踏まえて、利益が上がったからとの報償とは言えないという事実認定をして、会社が苦しくても人材確保のために支給していたとしたものである。

 

臨時職員は期間が満了したら退職する職員であることから、退職転職を防ぐという目的はなく、また、正社員になる方法もあることから、期間限定の職員には人材確保の目的がないとした事案である。

 

臨時職員に対するボーナスの支給規程のない会社にとっては参考になるのではないだろうか。

〇概要

 

期間の定めのある臨時職員に対してボーナスが支給されなかったことは、ボーナスの目的が労務の対価の後払いなどというだけではなく正社員の転職退職を防ぎ企業にとっての利益を確保するものであるとして、不合理な差異ではないとした事案。

 

執筆者

弁護士坂本正幸

東京大学法科大学院前専任講師。特定社労士認定講師。

  

 

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